噴水家族(短歌連作+ひとこと)

  噴水家族

セスナ機のように着水する鴨よ水の上では目を細めおり

噴水のながれで鴨とわたくしがぐるぐるまわる夏の日射しに

銅製の少女が踊る池のあり日本にウンディーネの話なし

ふきあげの鴨の家族の距離感よサラリーマンが熱心に撮る

〈ひとこと〉

近くの駅のロータリーに鴨の親子がいるが、家族って何だろうと考えさせられる。

(「鳥ネプリ」二〇一九・十一・二四 所収)