長靴と羽根つき帽子(短歌連作)

  長靴と羽根つき帽子

春泥を踏みつけてゆくあなたからもらった長靴ならば滑らず

君のためならば人食い鬼を食う生ごみのような臭いがしても

長靴と羽根つき帽子が似合いけん弁護士なりしシャルル・ペローは

春の風ふくみてふくらむ野良猫は長靴をはきし猫と思えず

子猫にはにゃんと言わずに長靴がほしいかと問う満月の夜

あるじなき長靴をはいた猫はゆくマーガレットを蹴散らかしつつ

ハロウィン短歌ネットプリント「HALLOWEEN JUNKIES 4」(二〇一九・一〇・二五)所収

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