箱庭日記2020年4月

某日
 かりんで昇欄していた。がんばらねば。

某日
 文芸所沢が届く。きらびやかな人たちは総合誌へ掲載する機会が多いだろうが、私のような地味なものは公募欄がありがたいのである。歌集に向けて発表済みの歌を増やしたい。

某日
 若月会でwebexを使って歌会をする。スマホでも意外といける。ZOOMはKindleでもできるようで、次はKindleでやるか。詠草はいろいろ評をいただいて推敲した。
 月詠をつくる。今月からIBに昇欄し日置さんの元へ送る。最近もう少し自分の歌がよくなる気がしてる。次のステップのビジョンが朧ながら見えているときは上達する予兆である。剣道をしていたときも、自分が弱く感じるときに強くなったものだ。加速させて少しでもいい歌を増やしていきたい。
 LINEで仕事の用事がくる。緊急でもないので平日に職場に電話してほしいものだ。

某日
 月詠投函。今月から日置さんのもとへ。
 万葉集は日本書紀とセットで読みたい感じだ。古代史がわからないと読めないところがある。古代史の軽い本は読んでいるので、まずは読み通そう。
 銀河英雄伝説がNHKではじまる。とても面白い。毎週月曜が楽しみになった。

某日
 投資額を増額した。一週間ほど遅かったか。
 中城ふみ子賞を出すか迷っているが、この際歌をまとめてみようということで連作を編み始める。
 covid19対策の緊急事態宣言が出された。

某日
 緊急事態宣言初日ということで社会全体が混乱してる様子。
 職場用で西友ブランドの紅茶を買ってみたが香りも少なくあまり美味しくない。家は狭山茶の和紅茶にしようと思っている。お茶屋さんが空いているといいのだが。

某日
 医療業界は緊急事態宣言があっても出勤。GWはもうFXして過ごそうかと思っている。いい本がないものか。二日目にしてわかってきたが、西友の紅茶は香りの少ないセイロンということだろう。果実味はあるけど、香りが少ないことで物足りなさを感じるのだ。

某日
 休日。家に引きこもる。停滞感を払拭すべく少し高い紅茶を買う。イングリッシュブレックファストは初めてだ。狭山茶紅茶で和紅茶デビューしたかったが店が空いていない。
 先日の増額が功を奏した。コロナショックを一気に吹き飛ばす感じ。
 昼はあまのやといううどん屋にする。つゆがちょっとピリ辛。
 樋口一葉『たけくらべ』読了。内容は青春群像劇といえるが、風景描写や心理描写がいいのだろう。少年少女の恋に口を挟むのは野暮だが信如じゃないよなぁと思う。ウィキペディアで美登利の心理的変化について、初潮説と初店説どちらかとあるが後者のほうが運命的だと思う。
 『古代史で楽しむ万葉集』読了。まだ消化不良。一度万葉集を読了して再読すべきかもしれない。あと日本書紀は読んだほうがよさほうだ。あと日本霊異記は楽しみとして読みたい。

某日
 セブンイレブンのプライベートブランドのカップ麺は、私の中では高級食なのだが、口にした瞬間に「これは700円くらい出しても満足する味……」と思える。
 slack歌会をする。スマホだと小さいから今度はタブレットでやろう。今のところキンドルなのだが、今後はサーフェスに一本化したい。
 夜はシンデレラの実写を見る。見る前は「こんな結論が知れている映画みても面白くない。だいたいこの手の物語は感動を押し付けるし、凡庸なんだ」とか言っていたけど、ラストシーンを見たときは「幸せになってよかったよぉお」ってなっていた。

某日
 アンデルセン『ブタ飼い』を読む。小国の王子が皇帝の娘を妃に迎えるために、思い入れのある美しい薔薇と、美しい鳴き声を奏でる鳥を贈る。芸術を理解せず足蹴にする者に対する、王子の仕打ちだが、多少罰を加えるにも下心垣間見える。姫の思いを払拭して、自らの道を生きるためのプロセスだったのかもしれない。王子は物質的な欲求を満たす魔力のようなものも持っており、それに惹かれる姫に注がれる視線は冷たいものだったのか、諦めかどちらだったのだろう。
 長歌を読んでいて「短歌を併せたり」とか書かれていると、レストランで「白魚のポアレ○○を添えて」みたいなメニューを想起する。

某日
 仕事の日。稲森宗太郎関係の散文を進めるのと、万葉集読書。

某日
 疲れた日はカフェでケーキを食べたくなる。しかし、どこも閉まっている。仕方なくスーパーで月餅とチョコを買う。
 万葉集学習をしているが、まだ基盤ができていないようで、暗中模索というか知識が断片化しすぎている。とりあえず最近は大伴親子に好意をもっている。岩波文庫のものを通読したあとに折口信夫の『口語訳万葉集』とか読むといいかもしれない。万葉集理解が折口一色になりそうだけどもう少し何か掴めるかもしれない。

某日
 土曜だ。肩こりに悩まされつつ仕事は終わる。雨の後の夕焼けは月並みだけどきれいだ。

某日
 休日。午前中は寝てた。ブログにあげたが稲森宗太郎の記事を書くので疲れていたのだ。午後はかりんのビデオ会議歌会。57577(4)みたいなのをやってみたかったけど、まぁ企画倒れみたいな感じ。数え間違え説もあり、歌集に入れるのは危険。
 また全体の評のなかに「現実的な」読みというのが多かったが、それは文学を痩せさせると思った。現実にはこうしないとか、これは危ないとかそんな読みだったが、それを言ってしまうと無頼派や幻想文学は通らなくなってしまう。
 緑茶をちゃんと温度調節して淹れてみた。美味い。さすが狭山茶。
 夕餉は山田うどんでパンチ定食を食べる。パンチとはもつ煮込みのことらしく、名物らしい。しばらく通いたい。
 万葉集はなかなか進まない。大伴旅人はやっぱりいい。周りの人たちもいいひと。
 白秋訳まざあぐうすを読み始める。英米文学のベースになっているというから必読だろう。先の現実的の話に戻るが、まざあぐうすなんて破綻しまくりだから現実的な読みは不可能だろう。それにしても万葉集とまざあぐうすという和と洋の古典の饗宴、ワインも日本酒も飲めないから、紅茶と緑茶を飲んでクリスマスカラーな時間を送る。

某日
 モーゼス・ウィリアム・ステイントン『霊訓』を読む。霊からの訓示形式になっている本。キリスト教をはじめ伝統宗教には批判的で、一神教や、教義がドグマと化している宗教の体制を特に批判している。本書では霊との交流、あとはざっとまとめると向上心をもち、職につきよく生きることを勧めている。暴飲暴食や色欲など動物的なものは避けて、前向きに生きよという極めて真っ当な勧めである。そして、現世は霊の世界からみて初等教育的なステージであり、しかし若くして亡くなっても霊界には教育システムがあり心配しなくていいということだ。本書での神は汎神的なもので、霊のほうが具体を帯びて存在する。人間は不完全なものでそれに対応して守護霊がついているようだ。
 読書もそれに近い印象がある。誰かの作家の作品をまとめて読んでいるときに、自分の中にいきいきと作家が再生する感覚は、本書にいわせてみると霊的な感覚なのではないかと思う。そして、大なり小なり自らの実作にも影響を与えるところは守護霊としての現れともいえそうだ。
 万葉集はもうすぐで巻第四が終わる。まだまだ先は長い。稲森宗太郎ももう少し読んでいきたい。

某日
 仕事で疲れたが、昨晩寝付けなかったことを思うと頑張ったほうだ。昨日は散髪したため、今日のランチは節約した。何にしても節約が肝要だ。
 いい知らせがくる。2年後か3年後くらいに歌集を出したい。

某日
 万葉集1/4冊読了。ちょっと歌をキラキラさせたいので邪宗門とか海潮音とか再読しようか。

某日
 倉田百三『出家とその弟子』を読み始める。わたしは浄土真宗で仏壇もあるので、毎日ではないけど頻繁には線香焚いて念仏してる。あと柳宗悦『南無阿弥陀仏』を読む程度には興味を持っている。でもわりと本書はわかりやすく親鸞や唯円、その弟子甲乙丙の雰囲気がわかって、創作ながら親しみをもてる。戯曲としても面白い。
 短歌研究を読み始める。ボリューム満点だ。そろそろ時評に着手せねば。
 煎茶を美味しく淹れられるようになってきた。一人分なので茶漉しを使って。
 山田うどんのかき揚げ丼を食べる。美味しい。次はパンチ丼を食べたい。

某日
 投信増資。稲森宗太郎の評伝を日本の古本屋で購入。届くのが楽しみだ。またブログで書きたい。出家とその弟子は面白いのだけど、急に人情味が溢れてきて普通にいい近代の戯曲になってきた。もっと抹香臭いと思って読んだのに。
 夜は銀河英雄伝説を楽しく見る。中城ふみ子賞は断念。

某日
 通勤に北原白秋邪宗門を読む。浄土真宗と耶蘇教のデュエットだ。邪宗門は読むのが何度目だろう。
 普通餅はほっておくと固くなる。そのままでは食べられたものではない。しかし、一週間寝かしても信玄餅は固くならない。これはすごいことで多分甲陽軍鑑にも書いてないはずだ。
 仕事でサージカルマスクばかりつけてるので、久しぶりにガーゼマスクをつけたときに、小学生のときの給食当番を思い出して癒やされた。
 出家とその弟子は後半一気に浄土真宗の色が濃くなる。面白く読了した。

某日
 短歌研究を読みつつ、折口の国文学の発生第一稿を読む。昼餉は山田うどんでパンチ丼を食べる。その足で荒幡富士を迂回して自宅へ。久しぶりの荒幡富士だ。
 そこそこいい狭山茶を飲んでいるが、不味いお茶を比較対象として飲んでみたくなる。思ったより茶葉の消費が多いことだし、一度業務用とか買ってみようか。

某日
 仕事はハードだった。国文学の発生第二稿読了。古代史をもう少し勉強せねばかなと思いつつ、しかし以前よりは世界が開けてきた。

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