金運上昇の聖地という夢

 夢の中で私は車にゆられていた。この坂を降りたらもうすぐ自宅だ。運転している同僚にこの辺で……と声をかけて車を降りる。車は交差点でUターンして元きた道を走り去っていく。田舎とはいえ交差点でUターンするのってありなのかなと思いつつ、まだ時間も早いので散歩することにした。
 しばらく歩くと、民家のあいだの玄関前アプローチだと思っていた細い道は、ただの路地であることに気づいた。もし他所様の庭とかに出てしまったらどうしようという不安も覚えつつ進んでいくと、お寺らしきところに出た。建物はなく、石畳になっており、賽銭箱とその奥に龍の銅像がある。夢だからか寺だと思いこんでいた。賽銭箱の隣に小さい手書きの字で、金運にご利益があること、少なくとも二十五パーセントほどの増収が見込めることが書かれている。具体的な数値を挙げているのは頼もしいなと思いつつ、賽銭箱のほうに目を移すと漆の箱がある。箱を開けると湯呑に抹茶ラテが並々と満たされ並んでいた。ここにも北海道産の小豆と地元の狭山茶、境内から湧き出ている水でつくった旨が書かれている。
 抹茶ラテに感心しているときに目覚めてしまった。今年は貯金が増えるのだろうか。夢とはいえ存在した自宅の近くの金運上昇の聖地を探してみるのもありだ。