散歩者の日記2020年2月

某日
 ツイッターで結社が話題になっている。そのせいか歌集批評会的なパネルで、編集委員の皆様に針のむしろにされる夢をみる。いつも大変優しくしていただいているのだが。トワイニングのレディグレイを飲む大変美味しい。このままフレーバーティーの沼にハマってしまうのか?!
 『極北』を読み始める。大変面白い。これはブログでまとめるか。

某日
 『極北』読了。すばらしい。
 トワイニングのプリンス・オブ・ウェールズも素晴らしい。スモーキーさはメルローズのプリンセスブレンドにもみられたが、日東紅茶のデイリーパックには微塵も感じられない味わいだ。
 そういえば、いわゆるニューウェーブにほとんど触れていないわたしは、コロニアム的な目線でみられると未開のひとということになるのか。
 最近自分が目指すべき課題が見えてきた。世界観を作るということだ。いい歌や新しい発想、テーマなどは常々考えてきたがあまり世界観については考えてきてなかった。

某日
 月詠投函。

某日
 中野駅のホームでいつか忘れたが、男はもはやおどけるしかないみたいなこと言ったことがあるんだけど、男じゃなくて私なのかもなぁと思った。
 大岡信『日本の詩歌』を読む。紛いなりにも短歌をやっているので、ちんぷんかんぷんとまではいかないが、古典やらなきゃなあと感じさせられる。来年の目標にしようか。また、池澤夏樹の解説もいい。こういう教養は得難いが憧れる。
 最近、自分の短歌の作品の座標を考える。資質的にポエジーはない、揺るがすほどの革新性もない、言葉のセンスもない。そうなってくるとヒューマンの部分が残された要素な気がする。ユーモア、ユマニテ、クリティカルさとかそのあたりか。歌は今日は作らなかったが、モチベーションは湧いてきた。

某日
 5月のかりんの特集の評論・エッセイ・作品が揃ってきた。評論は概ね完成、エッセイは見直し程度、作品はギリギリまで推敲。
 新たな歌作もできた。

某日
 来年度の診療報酬改定についてつらつらみる。400床以上だったりDPCの病院の影響が大きいようだ。制度が強いるノブレスオブリージュ。
 かりん勉強会用に去年の角川短歌賞受賞作を読み始める。いろいろ考えさせられる。自分が勉強会で発表するときはノートとして、内容をブログ公開するのだが悩む。

某日
 昨日は家でついていたマツコ・デラックスの番組で東京芸大が出ていた。在学生はまさにアーチストそのもので、短歌にもこういう人たちいるよなぁと思った。作品をみていて、自我の作用や、在不在のメッセージ性、閉塞感など何となく語ることはできたが、アーチストという言葉を自分自身に当てはめられるかと言われるとそうではない感じがした。自分の短歌に対する姿勢はマニアというのが正しいのかもしれない。

某日
 東村山駅のフレンチにいった。肉料理と魚料理それぞれ頼んだ。肉料理はサーロインステーキ、魚料理はホタテのソテー美味しく頂いた。

某日
 仕事で疲れてそのまま眠る。米川千嘉子歌集『滝と流星』を再度読む。いつか米川さん論を書きたい。古典をある程度読んでからだなと思いつつ、近代も晶子、らいちょう、かの子あたりも読んだ上で考察したいのでまだまだ先は遠い。

某日
 NHKでカズオイシグロの『浮世の画家』のドラマバージョンをやっていた。面白く読んだ。『うたげと孤心』でときたま現代詩の論客としての大岡信が垣間見えるのに情熱を感じる。たびたび引用される古今和歌集の歌がよく思えるが、正岡子規しかり、評判が悪いところがつらい。

某日
 昼にファミリーマートで買ったクレープバウムなるものを食べる。ミルクレープを手づかみで食べれるようにしたもので気軽に楽しめる。そして紅茶によく合う。そういえばしばらくドトールのミルクレープを食べていない。

某日
 仕事終わり百貨店で食事。西武百貨店の上のせいろご飯のお店へ。あなごせいろが好物で美味しくいただく。夜は同人誌の歌論を少し読んで、批評会関係のメールを作成して、かりん勉強会のレジュメをつくって26時になってしまう。あしたは仕事なので短歌活動終了。『うたげと孤心』とその他歌集読みたかったな。

某日
 午前中はかりん勉強会。角川短歌賞受賞作の田中道孝連作「季の風」を担当する。本ブログに内容は掲載。自分の作品はともかくとして、短歌作品を読むときに最近要求が高くなってきた気がする。午後は東京歌会で、坂井さんからモチーフに寄りすぎていることを指摘された。今後の課題だ。その後沖縄料理屋で二次会をした。ルートビアを飲む。

某日
 短歌活動の次の日は自分が何者かわからかくなる。かりん一首鑑賞の記事をブログにあげる。森鴎外の短編をいつくか読む。『普請中』は対外国意識がよく出ている。追いつけ追い越せな感じではなく、普請中だよというところが鴎外だ。そう考えると日本はずっと普請中な気がする。黒岩涙香の『暗黒星』を読む。救いがない。ヒカルの碁のオープニングをYou Tubeで聴くと諸々やる気が出る。ちなみに昨日今日と聴いている。

某日
 休日。火曜に休むと月曜はうつっぽくならない。午前中はレ・ミゼラブルを読み始める。わかっていたが長いので、かりんの時評と並行して読んでいけるか若干心配。散歩しながら歌をつくり、航空公園にいく。端の方に池があるのだが鴨がいたり、緑が豊かである。ベンチに座って静かに酒を飲んでいる男たちがいる。鴨が寒そうに池を泳ぐ光景と、冬のいっとき差す暖かな日差しを肴に飲んでいるのだ。わたしもたまらなくなりベンチに座ってしばらくあたりを見回し短歌をつくる。何首かつくって終わりにしたが、無尽蔵に主題が潜んでいるような気がした。
 寒くなってきたので椿屋カフェでイチゴタルトを食べる。相変わらずおいしい。椿屋ブレンドティーはライチのような香りがするのだが、何かフレーバーをつけているのだろうか。香り高いダージリンを中心にブレンドすれば茶葉だけでも出せそうな感じもし、判断がつかない。森鴎外訳『冬の王』、『蛇』を読む。『冬の王』は面白い。極地文学というのだろうか。主人公はいつもは慇懃だが、冬になりあたりが極寒の雪に包まれるころ王のように振る舞う生き方は文学的である。
 今週末のトークショーに備えて佐佐木定綱歌集『月を食う』を再読。いろいろ語りたくなる歌集だが、トークショーとまじえて時評に書きたい。
 レ・ミゼラブルはジャンバルジャンが登場して、ある程度まで展開するところまで読み進めた。かなり面白い。これは一章読み終わったあたりで印象記を書きたいくらいだ。ざっと先日つくった30首に目を通す。やはりまとまった連作だとつくりが甘くなっている箇所があり気づいたところを直す。

某日
 疲労感からか眠気で読書が進まない。レ・ミゼラブルではコゼットが不遇な目にあっている。

某日
 航空公園でぼーっとしていた。鷺がいて、鴨の家族をみている。私は鷺に共感した。

某日
 しばらく書かなかった。『レ・ミゼラブル』はまだ終わらない。コゼットとジャンバルジャンが合流できてよかった。大河小説は長いけど人間探求志向の自分には合っている気がする。何を思ったか神智学の本を注文してしまった。レ・ミゼラブルと同時にいけるか。
 家でリーフティを飲めるように整える。
 時評を90%以上仕上げる。

某日
 休日。小平から花小金井の緑道を歩くと菜の花や河津桜が咲いている。レ・ミゼラブルは新たな展開が。