2023年2月の日記

 2023/2/4

 中沢新一、山極寿一著『未来のルーシー 人間は動物にも植物にもなれる』(二〇二〇・三)を読む。内容は別にブログにあげる。

 航空公園の蝋梅を観る。毎年の恒例で今年は花盛りに観に行くことができた。香りも十分堪能した。


2023/2/10

 雪が降る。十センチ弱は積もったか。


2023/2/11

 我が狭庭の雪景色、航空公園の雪景色は一見の価値あり。蝋梅もまた観る。サイゼリアでボンゴレビアンコとムール貝を食べる。


2023/2/12

 地元の洋食屋キッチンクルミのカツカレーを堪能。カツの厚さ、脂の旨味、カレーソースの深みが素晴らしい。中沢新一、河合俊雄著『ジオサイコロジー:聖地の層構造とこころの古層』読了。


2023/2/18

 かりんの会費を納入。年会費を納めると無事進級できたような気分になる。


2023/2/23

キッチンクルミのカツカレーを食べる。今度はポークカツレツにしよう。カツだけで勝負できるほど美味しい。脂身の旨味や口溶け具合に肉の良し悪しがでるんだと思う。


2023/2/24

 疲労でなかなか日記をかけなかった。その間、柄谷行人著『意味という病』を読んだし、かりんの東京歌会もあった。『柄谷行人講演集成1995-2015 思想的地震』も読んだ。映画は『関ヶ原』と『ほの蒼き瞳』を観た。『関ヶ原』は時代劇として面白く観た。役所広司の徳川家康がよかった。『ほの蒼き瞳』はエドガー・アラン・ポーが出てくるのだが、ポー役の俳優がポーの肖像画そっくりで面白かった。映画のセットも世界観もよくできている。当時のアメリカの自然や土臭さも表現されていた。さて、先にぼやいた疲労の原因は五十肩にある。腕が上がらずに痛い。今でさえ寛解したが腕の症状で全体のパフォーマンスが低下した一週間であった。仕事もほどほどにしよう。


2023/2/25

 神楽坂で鳥茶屋にいく。鳥すき丼はいつ食べても美味しい。大学のときから折をみて行く店だ。土産は五十鈴で甘納豆。甘納豆の概念が変わるといっていいほど小豆のよさが出ている。

 短歌関係の会合だったのだが、頑張ろうと思った。


2023/2/26

 五十鈴の甘納豆が美味しい。和菓子の肝である餡よりさらに小豆感があるといえばいいだろうか。とにかく甘納豆が美味しい、いや美味しい甘納豆だから美味しいのか。

 寺田寅彦著『地震雑感』を読む。地震は統計学、計測、地学、物理学というアプローチがあることから始まる。火山性のものや地殻の滑りに起因するものなど今日一般的にいわれている地震のある常識は当時からあったようだ。そして予報の不可能性にも改めて触れられている。本書で一番寅彦がいいたかったのは次の部分だろう。

 「百年に一回あるかなしの非常の場合に備えるために、特別の大きな施設を平時に用意するという事が、寿命の短い個人や為政者にとって無意味だと云う人があらば、それはまた全く別の問題になる。そしてこれは実に容易ならぬ問題である。この問題に対する国民や為政者の態度はまたその国家の将来を決定するすべての重大なる問題に対するその態度を覗わしむる目標である。」

 東日本大震災やトルコ地震そして戦災というならウクライナ侵攻もだが、寅彦の『地震雑感』の結びがやけに説得力を持つ。日本は東西の対立を加速させる側にいるようだが、戦災に関しては天災と違って防ぐこともできるだろう。『災難雑考』では寅彦は進化論的災難観という今日からするとやや呑気に聞こえるが、災禍が大なり小なり人類を進化させてきたといっている。一方でノアの箱船的な見方は、優勢学的災難観といいやんわりと否定している。今日災禍が蔓延しておりブロック経済化など時代と逆行してすらいる、その先に寅彦のいうような進化はあるのだろうか。