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二〇二一年のこと

  来年こそは日記をつけようと思いつつ、二〇二一年を振り返ってみる。文学のほうは哲学書や文学批評に関する本を数冊読んでブログにアップするなど、やりたいことは概ねできた気がします。もう少し文学批評を勉強したかったが生活のほうも色々あったのでしかたない……。  「かりん」では夏の全国大会が印象に残りました。パネルディスカッションで発言するのは初で、社会科学的な動機や環境倫理学的な危機意識が作歌にあることを話せて自分のなかでも整理のきっかけになりました。また、瞬間を切り取る歌と、従来通り私性を拡大していく詠い方があるとして、後者で楠さんが例示されていたことも大いに首肯しました。内容は「かりん」(二〇二一・一二)にあるが、文字起こしの過程で集団で編集する大変さと、身の程をわきまえ一歩引く必要性を痛感しました。  結社では「かりん」(二〇二一・一一)特集「岩田正を読む」の一首評と、「かりん」(二〇二二・一)で坂井修一著『森鷗外の百首』の書評を書かせてもらいました。前月号鑑賞は坂井欄担当でこれも大先輩の作品をいち早く拝読し勉強させてもらいました。巨人・大先輩に胸を借りるような原稿が今思うと多かったです。鷗外記念館や鷗外関係書籍を数冊読んだので、近づきがたかった鷗外先生の人間性に触れられた一年でした。また、窪田空穂についての読書もはかどりました。歌集は何周も読み、エッセイや歌論、小説についても読むことができたので、鷗外同様に空穂にも近づけた一年でした。  総合誌関係では「歌壇」(二〇二一・五)特集「わが結社の推し歌人33人競詠」、「うた新聞」(二〇二一・九)「長月作品集」で作品を掲載していただきました。散文は「六花vol.6 詩歌を読む 続」でエッセイを掲載していただきました。また、「方代研究」第68号に評論を、第69号に共同鑑賞を書かせていただきました。また近刊予定の号にも評論を書かせていただいております。  一年を振り返ってみると多くの機会をいただいたことに改めて気づかされます。その都度この質で大丈夫だろうかとか、私のようなものでいいのだろうかと思いつつ書いているのですが、依頼いただく原稿はいいものばかりで来年も精進いたしたく存じます。